[1]天空支配龍
【ポケダンスレ(2件目)】
このスレは、元々滝登りさんが開いていたスレなんですが、活動が停止してしまったので2件目を作りました。もしよかったら入ってみてください
08/12 18:59
[2134]黒樹蒼葉
『……ぜぇ……ぜぇ……ひゅーーッ……』
ただ……やっぱり一回毎に「これ」が来ると思うと……来るものがあるな……俺の心に
決して小さくない不安がよぎったその時。
『ミズゴロウさん!遅れてしまい
申し訳ありません!』
『あ、本当だ!いた!』
その声と共に、チコリータともう一匹の
ポケモンーームウマージが駆けてきた。
『いいや……大、丈夫だ……それより……
色々、用事……ありがとうな。
……チコ、リータ……お前、もか……』
喋るのもやっとだが、途切れ途切れの
声で返す。
『依頼の途中に偶然会ってね。この人が
あんたの所に行くっていうから、依頼を
ヒノアラシに任せて、案内してもらったの。それで、来てみたらここに……』
こいつはそこで言葉を切り、洞窟に空いた
大穴と、未だ起き上がれない俺を見た。
『それにしても……話には聞いてたけど、
あんたがこんな状態になるなんて、やっぱりとんでもないのね。この技。
……それであなたは木のみやタネを?』
はい。少しでも苦痛が和らげばと
思いまして。あくまでも効果は焼け石に水
だと思いますが……』
そういうファンの手には、大量の木のみや
タネが入った袋が握られていた。
『ありが……とうな。……うん。意外と……
ましになった……気がする……』
『それにしても意外ね。よりにもよって
あんたにファンがいたなんて』
『よりにも……よっては……余計だ……
そして』ここで俺は言葉を切り、
ーー俺史上最大級のにやにや顔を
向けてやる。
『どうだどうだ……出来ただろう!俺にも!
ファンが!いつもいっつも俺を散々きもい とかうざいとか言ってたけど?ねぇ、
今どんな気持ち?ねぇ、いまどんな
気持っ……グェッ……!』
勝ち誇った俺の顔に、ツルの乱舞が
飛んで来る。俺のファンーー
ミィ・ローレルは、ただ呆気に
とられていた。
05/16 16:50
[2135]センター
保安編第15話「本部」
レントラー盗賊団騒動から数日後。
A大陸西部保安事務所。
キュウコン『おはようございます!』
エビワラー『おはよう!』
キュウコン『エビワラーさん毎日早いですね!』
エビワラー『俺のルーティンだからね』
ケッキング『毎日毎日、雨の日でもやってるんだからな。呆れるぜ』
エビワラー『継続は力なり!。続けて入ればおのずと自分の力になります。怠る訳にはいきません』
ケッキング『まあ、努力する事はいい事だが、無理はするなよ?』
エビワラー『わかっています。迷惑はかけないように心がけています』
キュウコン『マルマインさんはまだ来てないんですか?』
エビワラー『マルマインか。マルマインは謹慎中だよ』
キュウコン『え!?。ど、どうしてですか?』
エビワラー『先日のレントラー盗賊団との騒動でのマルマインの行動がね....』
キュウコン『あ........』
ケッキング『謹慎と言ってもそんなに長くはないから安心しろ』
キュウコン『わかりました...』
05/17 17:31
[2136]センター
キュウコン『とりあえず今日も一日頑張ります』
ケッキング『あ、キュウコン。お前は今日一日本部に行ってこい』
キュウコン『え!?。どうしてですか?』
ケッキング『あの騒動でのお前の貢献についてだ』
エビワラー『そっか。レントラーに致命傷を負って確保に貢献したからだ!』
キュウコン『そ、それで表彰されるのですか!?』
エビワラー『そりゃあそうでしょ。レントラーってD大陸で有名な盗賊だよ?。それの確保に貢献したんだから表彰されるべきでしょ』
ジバコイル『あ。キュウコンさん。本部へ行ってください。道わかりますか?』
キュウコン『えーと。ここからだとよくわからないですね....』
ケッキング『覚えておこうな.....。エビワラー!』
エビワラー『はい!』
ケッキング『本部まで同行してやれ。道を教えつつな』
エビワラー『はい!。......しかし、私の仕事は!?』
ケッキング『俺がやるからいい。行ってこい』
エビワラー『了解です』
05/17 17:39
[2137]センター
A大陸保安本部。
キュウコン『大きいですよね!』
エビワラー『うん。久しぶりに来たよ』
....ザワザワ.....。
おい。
あいつあれだろ。
4年間も見習いやってたエビワラーだろ?。
ああ。そうだあいつだ。
全くどうしようもない落ちこぼれだよな。
.....
キュウコン『なんか騒がしいですね。気になります』
エビワラー『.........キュウコンは気にしなくていいよ....』
キュウコン『はい』
05/17 17:44
[2138]センター
....ザワザワ....。
おい。
あの落ちこぼれの隣にいるのって...。
ああそうそう。
西部事務所に入った新人。
ええ!?。あの西部事務所の新人!?。
こりゃあまた問題児が増えるのか。
......。
エビワラー『.............』
キュウコン『エビワラーさん。ここの人達さっきから私達の事見てませんか?』
エビワラー『........。見慣れないから驚いてるだけじゃない?』
キュウコン『そうですか?。笑っているようにも見えますが.....』
エビワラー『気にしすぎさ。.....さあ急ごう』
キュウコン『あ、はい!』
.....
聞こえていたのか?。
さあな。
エビワラーの顔がちょっと睨んでたがな。
ははは!。傑作。
キュウコンって言う新人のポケモンの話しだしたら睨んでたぜ。
落ちこぼれは落ちこぼれを庇うってか!。
ははははは!。
......
不快だ。
俺の事はまだしもキュウコンまで....。
キュウコンに聞かせないようにしないとな。
05/17 17:53
[2139]センター
エビワラー『西部事務所のエビワラーとキュウコンです。ご用件があって本部にやってきたのですが.....』
受付『こちらへどうぞ』
.....
......
.........。
二階。
???『やあ、久しぶりだねキュウコン』
キュウコン『ギャロップさんお久しぶりです』
ギャロップ『.......それで君は例のエビワラー君ね』
エビワラー『.....はじめまして。エビワラーです』
ギャロップ『私はギャロップ。キュウコンを西部事務所に推薦したわ』
エビワラー『キュウコンを?....』
....
マリルリ『キュウコンは「問題児」ではないわ』
キュウコン『え?』
マリルリ『キュウコンがここに配属されたのは「問題児」達を矯正させる為に配属されたのよ』
キュウコン『!』
マリルリ『誰も矯正なんかしたくないのよ。そこで即戦力で入った貴方に「汚れ役」をしてもらう事にした』
キュウコン『そ、そんな目的の為にここに.......』
マリルリ『即戦力とは言われてるけど特に期待されてないのよ。周りは。まあ入って間もないのにこんな事言うのも可哀想だけど』
....
ギャロップ『ふふふ。思いっきり睨んで来るのね』
エビワラー『問題児を矯正させるために...!』
ギャロップ『ああそれ誰から聞いたの?』
キュウコン『マリルリさんから聞きましたよ』
ギャロップ『はぁ....。ナックラーの報告は正しかったのか....。マリルリには残念の一言しかないわ』
エビワラー『そんな事はどうでもいいです。何故キュウコンを!』
ギャロップ『マリルリから聞いているでしょ?。利用したって』
05/17 18:21
[2140]センター
ギャロップ『話は終了よ。私はそんな事を話すためにキュウコンを呼んわけではないのよ。というか、何で貴方がいるの?エビワラー君?』
エビワラー『私はキュウコンの道案内で共に来ました』
ギャロップ『ふーん。まあいいか。キュウコン。貴方は少しの間本部で仕事ね』
キュウコン『え!?』
エビワラー『何故!?』
ギャロップ『秘密よ。そうだ。エビワラー君にも言っておくわね。西部事務所に新しく人員入れるからね』
エビワラー『!?』
ギャロップ『決定事項だから、反発しないでね?。いい?』
エビワラー『..........』
キュウコン『..........』
ギャロップ『じゃあ解散ね。キュウコンは明日から本部にね』
05/17 18:28
[2141]黒樹蒼葉
センターさんこんばんは。
◇感想
表彰のはずが、目的も不明のまま有無を言わせず本部へ。
結構理不尽ですね。陰口も言われたり、保安という正義のイメージに
反して(?)問題も偏見も多い職場の様です(苦笑)
今回は感想が短くてすみません。
05/17 20:56
[2142]センター
蒼葉さんこんばんは
コメントありがとうございます。
本編。
キュウコン『ど、どういう事なんでしょうか!?』
エビワラー『さあ。俺にもわからない。何かあるかもしれないね』
キュウコン『ですよね.......。どうすればいいでしょうか?』
エビワラー『とりあえず従うしかないね。何かあったら連絡して欲しいけど...連絡手段がないな』
キュウコン『保安バッジを使ってみてはどうでしょう?』
エビワラー『バッジか....。確か連絡機能ついてたんだっけ?。使う機会ないから忘れてたな』
キュウコン『4年間使う機会なければ忘れますよね』
エビワラー『うん。はいこれ俺の番号。何かあったら連絡してすぐ駆けつける』
キュウコン『はい!。ありがとうございます。一応私のも』
エビワラー『ありがとう』
05/17 22:54
[2143]黒樹蒼葉
『ぐ……ぬおぉ……わ、悪かった。
調子に乗った。もう勘弁してくれ……』
『はぁ……はぁ……ふーッ……』
ああ……疲れる。何でここに来たんだろう、
こいつといると大体ストレス溜まるのに……息が切れる。妙な脱力感の中で、私ーー
チコリータは思った。
『はぁ……あなたが持ってきた木のみと
タネ、どうやら効果は抜群だったみたいよ。
憎らしいくらいにね……尤も、
また満身創痍にさせちゃったけど』
『は、はぁ……』
そう言われたファンの人は、言葉に迷っている様子だった。とりあえず私は続ける。
『……それと、悪いことは言わないわ。
こいつのファンなんか辞めた方がいいわよ。
出来れば今すぐに。関わるとストレスは
溜まるわ話は脱線するわでろくな事が
ないんだから…。私だって、
どちらかと言えば腐れ縁といった感じだし』
05/18 16:23