[1]雷雲猛虎◆60z3zZnjvY
【ぼく、バンギラス!】
はじめまして、雷雲猛虎という者です。
★方針
このスレではバンギラスのBraveArmorが旅を通して成長、
最強のポケモン集団を目指すストーリーとなります。
★注意
このスレではポケモンの習得できる技の数を指定しません。
またアニメ同様に技の効果が一部変更及びアレンジされています。
性格や個性はゲーム版とは異なります。
最後になりますが人間は登場しません。
こういった内容が苦手な方は閲覧をお控えください。
★主要キャラクター紹介
BraveArmor:このお話の主人公、とても臆病な性格のバンギラス。シロガネ山で育った男の子。
DrillArmor:主人公の世話役であり、育ての親であるドサイドン。穏やかで優しい性格。チャンピオンロードで生まれ、シロガネ山に移住したというおじいちゃん。
SteelArmor:主人公の親友とも言える仲のエアームドの男の子。陽気な性格でBraveArmorの大事なペースメーカー。シロガネ山の頂上付近で弱っているところをDrillArmorに救われた。
★最後に
私はストーリーの構築や進行が下手なので、
非常に読みにくい内容になると思われます。
ですが、頑張って更新するつもりなので、
どうかお付き合いください。
08/27 22:41
[21]雷雲猛虎◆60z3zZnjvY
更新が遅くなってしまいました。
小説を書くのは体力使いますね。
>>空色飛竜さん
コメントありがとうございます。
名前の後ろの@は、
ストーリーで重要な役割を持つポケモン、
という位置付けと考えてください。
今後も、よろしくお願い申し上げます。
★第5話:スペシャリスト
7:00
シロガネ山最強の座を得たBraveArmorとSteelArmorが、
滝の裏の洞窟で朝を迎えた。
滝の水で顔を洗い、
2体は食堂洞窟に向かう。
昼に予定された試合の相手がどの種族なのか、
どんな戦術を使うのか、
全く見当はつかないが、
やれることを精一杯闘うと誓った。
あわよくば、いや、絶対に勝ってやろう。
2体の瞳には決意が表れているように感じられた。
食堂洞窟は、今朝も大混雑。
エキシビションマッチは昼からだというにも関わらず、
興奮する気持ちを抑えられる者はいない。
食事を終えた者は自主練習に向かって、
気をまぎらわすのだ。
練習メニューが無いからこそ、
自主練習をすることは日常であるが、
今日は身の入り方が違う。
ちびっこたちは優勝者に憧れて、
今回の敗者たちは次へのリベンジのため、
全員に共通するのは更なる力を手に入れるためである。
やっと朝食に辿り着いた2体、
木の実スープを配っている補佐役サイドンAに声をかけた。
BraveArmor「おはようございます、DrillArmorさんの連れてこられた御客様って、どんなポケモンなんですか?」
SteelArmor「できれば作戦をたてたうえで闘いたいのですが。」
ワンテンポおいて、
補佐役サイドンAが答えた。
補佐役サイドンA「長老からも教えるように頼まれていたんだ。御客様はクレセリア@様とヒードラン@様だ。」
2体は伝説のポケモンと闘うと知り、
少し驚いてしまった。
しかし、気持ちは腐らない。
補佐役サイドンAにお礼をして、
木の実スープを2杯もおかわりして、
食堂洞窟を出た。
彼らは、果樹園でモモンの実をもらって、
山の中腹の草原で調整をしようと思っていた。
草原着くと、ちびっこたちに稽古を申し出られてしまった。
最初は断るつもりだったが、
基礎を思い出すには最適だと思った彼らは、
笑顔で引き受ける。
エキシビションマッチの一時間ほど前になり、
みんなで昼食をとった。
大事な試合を控えた2体と、
それを追いかけるちびっこたち、
いろいろ会話しながら昼食を終える。
11:50
シロガネ山の頂上付近のバトルフィールドに、
BraveArmorとSteelArmorが到着。
すでに観客が多くいる。
いよいよ特別な試合が始まるのだ。
DrillArmor「おぉ、BraveArmorとSteelArmor、準備は整ったかのぉ?」
長老が2体に優しく声をかける。
その問い掛けに対して、
2体は「もちろんです。」と答えた。
その後、補佐役サイドンたちに連れられて、
2体はバトルフィールドに立った。
観衆「おぉッ、来たぁ!」「頑張れッ!」ワーッ、ワーッ。
歓声が上がる。
DrillArmor「それでは、始めよう。御客様、お入りくだされ。」
長老の呼び掛けが終わると共に、
2体の前に3体の見慣れないポケモンが現れた。
BraveArmor&SteelArmor「(ごくり…)」
現れた3体は、シロガネ山の代表者2体に対して、
それぞれが少しだけ語った。
青い配色と赤いお腹、長い背鰭、
このポケモンはガブリアスというらしい。
ガブリアス@「はじめまして、シロガネ山の王者たち。俺は世界10連覇に立ち会った、このチームのリーダー、SonicBreadという者だ。よろしく頼む。」
次の声を上げたのは、
クレセリアというポケモンだった。
ピンクのベールに包まれた美しいポケモンは、
話し方も上品だった。
クレセリア@「はじめまして、私はCresselia、いわゆる伝説と呼ばれる存在ですのよ。よろしく。」
最後に口を開いたポケモンは、
ヒードランというポケモンらしい。
とてもテンションが高いみたいだが、
なにかあったのだろうか…。
ヒードラン@「ひぃー、はぁッ!」
BraveArmor「(…、う~ん、彼は思ってたのと違う…。)」
ヒードラン@「オイラはHeatranっていうんだ。ハードマウンテンの守護神をしてる伝説のポケモンだぞぉ、HAHAHA!」
SteelArmor「(これは、とんでもない御客様だな…。全然、戦術が予想できない…。」
簡単なあいさつを交わし、
長老から対戦のルールについて、
改めて確認した。
4体はバトルフィールドに降り立ち、
戦闘体勢に入った。
DrillArmor「それでは、バトル開始じゃ!」
長老の掛け声と共に、
一同は声を上げた。
その場にいる者たちは、
シロガネ山のエース格と世界チャンピオンの激突に、
興奮を抑えきれていないようだ。
掛け声、声援、その中で真っ先に動いたのはSteelArmorだった。
Heatranめがけてブレイブバードを試みる。
一方のHeatranは目を瞑っている。
SteelArmor「(おじけついた? いや、まだ距離はある。交わす余裕はあるはずなのに。なぜ?)」
Heatran「(相性に関しては触れないでおこう、この若者たちはオイラの種族とは初対面だからな。どの程度の力なのか見せてもらおうかなッ!)」
Cresselia「(ホントにお調子者ね、この行動が仇とならなければ良いけど…。)」
BraveArmor「(なぜHeatranさんは目を瞑っているんだ? いや、気にしちゃダメだ、こっちのペースを作れば問題無いんだ!)」
10/04 23:39
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SteelArmorが速度を増していく、
Heatranの顔面をめがけてブレイブバードが炸裂した。
疑問に思いながら、
衝突の瞬間に技が決まったように、
SteelArmorは感じた。
しかし、現実は違っていた。
普段ならばブレイブバードを受けた相手は、
少なからず後退りなり、もっと言えば吹き飛ぶはずだった。
このHeatranは違う。
額でSteelArmorの嘴を受け止め、
4本の足は地面をしっかり捉えており、
体は静止状態を保っていた。
SteelArmor「(効いてない?)」
BraveArmor「(あの一撃を余裕で止めた、あり得ない…。)」
SteelArmorはドリルくちばしの体勢に入り、
もう一度、攻撃を仕掛けた。
さらにBraveArmorがストーンエッジで加勢した。
Heatran「(攻撃パターンを変えたか、しかも今度はストーンエッジのおまけ付き。一発、かますかなッ。」
Cresselia「(Heatran、やるのね。わかったわ。)」
CresseliaがHeatranの意志を感じ取ると、
Cresseliaも目を瞑った。
すると、陽射しが強くなった。
ストーンエッジがHeatranを襲う寸前で、
Heatranが目を開けた。
先程の陽気な印象は完全になくなり、
睨み殺すような表情になった。
そして、SteelArmorがその表情を見た瞬間、
SteelArmorを灼熱の炎が襲った。
Heatran「オーバーヒートぉッ!」
その炎は爆発のようにSteelArmorを弾き飛ばし、
BraveArmorの方へと飛ばした。
BraveArmorはオーバーヒートの爆風を堪えつつ、
飛ばされてきたSteelArmorをしっかりキャッチした。
どうやら、高速回転していたためダメージ自体は少ないようだ。
SteelArmor「さすがは世界レベルだね、でも僕にはBraveArmorがいる!」
BraveArmor「えぇッ、そんなこと言われても困るよ…」
SteelArmor「君の攻撃を受けられるポケモンなんていない、僕が援護するから、もっと自信持って!」
BraveArmor「お、おう。」
Heatran「Cresseliaの援護を受けたオイラのオーバーヒートを受けて、ダメージを受けてないとか、ちょっと残念だなッ。」
Cresselia「まさかとは思いましたが、あのドリルくちばしは防御にも役立つのね。」
Heatran「だったら、これはどうだッ!」
Heatranの体が赤くなる。
そして、次の瞬間、
バトルフィールドは炎の海となった。
Heatran「これぞ、オイラの奥義、マグマストームッ!」
Cresselia「陽射しは、もうしばらく持ちそうね。この炎からは逃げられないわ。」
一方のBraveArmorとSteelArmorは、
Cresseliaの言うとおり、
炎にとらわれて体力を消耗していた。
BraveArmorは砂嵐を起こそうと試みるが、
Heatranの起こしたマグマストームの威力に撃ち負けてしまった。
SteelArmorもエアカッターで炎を振り払おうとしたが、
小さな風の刃は炎に飲まれてしまった。
BraveArmor「SteelArmor、僕はどうすればいいんだ、この状態だとなにもできずに負けてしまう…」
SteelArmor「ごめん、わからない。予想していたより、はるかに強い。どうにかして、炎から逃げなきゃ、かなりまずい。」
2体は言葉を交わすと炎の外を目指して動き出した。
ちょうど、陽射しが弱くなったため、
無事に炎から脱出することができた。
2体共にボロボロである。
Heatran「SteelArmorくんだったかな、よく堪えたね。気に入った、キミはオイラが仕留める!」
Cresselia「では、BraveArmorくん、あなたは私と手合わせしてくださる?」
SteelArmorとBraveArmorは、
世界レベルの2体を前にしながら、
首を横に振った。
そして、こう言った。
BraveArmor「世界レベルは、よくわかりました。僕たちは1体では力は足りてない。だからこそ…」
SteelArmor「僕たちは2体で力を合わせるッ!」
BraveArmorが砂嵐を起こした。
SteelArmorは空高く翔び上がる。
SteelArmorの動きを確認したHeatranは、
先程のマグマストームで体を覆い始めた。
CresseliaはBraveArmorの起こした砂嵐を日本晴れで打ち消そうとする。
そして陽射しは砂嵐を完全に撃ち消してしまった。
SteelArmorがHeatranめがけて急降下、
全身が眩い光を放っている。
SteelArmor「行くぞ、ゴットバードッ!」
Heatran「自暴自棄になったか、若者よ。」
Heatranが炎を纏いながら、
SteelArmorに狙いを定める。
Heatran「これで終わりだ、SteelArmor!」
オーバーヒートがSteelArmorをめがけて放たれた。
再び、爆風が巻き起こり、
砂が舞い上がり、視界が奪われる。
砂ぼこりが消えると、
苦しそうな表情をしたHeatranがいた。
そして、なぜか水浸しのSteelArmorが羽休めをしていた。
Heatran「SteelArmorよ、鋼タイプが炎を無視するとはどういうことだ…、いったい何をしたんだ…」
Cresselia「SteelArmorくんの体をご覧なさい。水浸しでしょ? チームワークが良いのね。普通は味方に冷凍ビームなんて撃てないわ。」
SteelArmor「よくわかりましたね、炎に突っ込む寸前でBraveArmorの冷凍ビームで敢えて凍結、炎で氷を溶かしながらダメージ軽減。」
BraveArmor「うまくいってよかったですよ。」
シロガネ山のエース2体が得意気に言葉を交わすと、
Cresseliaが冷たく言い放った。
Cresselia「予想はしていたわ、でも小細工が通用するほど、世界はあまいものではありません。」
Heatran「そうだなッ、ここから本番だぜッ!」
Cresselia「Heatran、あなたも、この方たちがどんな者であるのか考えて行動なさって。あのような行動、足元をすくわれますわ。」
Heatran「お、おう。」
SonicBread「(相変わらず、Cresseliaは堅実にバトルをこなす。)」
BraveArmor「だったら、ここで決着をつけます。ストーンエッジッ!」
SteelArmor「エアカッターッ!」
2体が渾身の一撃をHeatranとCresseliaに撃ち込む。
Cresselia「無駄ですの、それを証明して差し上げましょう。」
Cresseliaはサイコカッターで攻撃を撃ち落とした。
そして陽射しをさらに強くすると、
BraveArmorに激しい光線を浴びせた。
Cresselia「ソーラービームですわ。」
この光線でよろめくBraveArmorに、
続けてチャージビームが撃たれた。
しかし、SteelArmorがCresseliaにドリルくちばしを連続で浴びせ、
BraveArmorへの直撃は回避できた。
Cresseliaが一瞬怯んだところに、
BraveArmorのストーンエッジが襲いかかる。
激しい攻撃を受けながら、
Cresseliaは冷静に言い放つ。
Cresselia「Heatran、持久戦になるのは不利みたいですわ。一瞬で勝利を決めるために、あの方法を使いましょう。」
Heatran「ひゃっはぁッ! わかったぜ、オイラに任せろッ!」
SteelArmor「(ここでCresseliaさんを倒してしまえばッ…!)」
BraveArmor「(あとは手負いのHeatranさんのみ、勝てるッ…!」
そう確信したシロガネ山のエースたちは、
渾身の一撃でCresseliaに総攻撃を仕掛けた。
SteelArmorのゴットバード、
BraveArmorのストーンエッジが、
空気を震わせて襲いかかる。
いくらクレセリアという種族が、
高い耐久力を持っていても、
これは耐えられないだろう。
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しかし、Cresseliaは攻撃を受ける寸前に、
地に伏せていた。
SonicBread「(なるほど、三日月の舞を使ったか。まさか、ここまで追い詰められるとは…」
三日月の舞で自らの体力を削り、
Cresseliaは地に伏せた。
三日月の舞という技は、
自らを犠牲にすることで味方を完全に回復させることができる。
Cresseliaが倒れてからワンテンポ置いて、
Heatranが光に包まれる。
数十秒の間、バトルフィールドの中心で、
光を浴びたHeatranは、
その光が消えたときには、
今までの傷が全て治っていた。
Heatran「ひゃっはぁッ! 相手が2体だろうがオイラは負けないッ!」
その発言が現実味を帯びたように感じられた。
バトルフィールド全体にHeatranの体温が直に伝わるように、
気温が上昇。
まさに灼熱地獄。
SonicBread「(Heatran、お前もやっと本気になったか。)」
BraveArmorとSteelArmorが目で合図を交わすと、
BraveArmorは再び砂嵐を起こし、
SteelArmorも再び空高く翔び上がった。
砂嵐は熱気を打ち消すことこそできないが、
幾分かSteelへのダメージを軽減した。
Heatran「(そうきたか、厄介だが、逃がさん!)」
Heatranは隙を作らないために、
バトルフィールド全体をマグマストームで覆った。
その炎は上空のSteelArmorまでも取り込み、
SteelArmorは力尽きてしまった。
SonicBread「(相変わらず、派手にやるのが好きだな、これは勝負ついたかな。)」
一方のBraveArmor、
炎に包まれながら、
目を瞑っている。
そして、全身に力を込め、
雄叫びを上げた。
その声が轟くように炎が消える。
同時に悪の波動がバトルフィールド全体を覆い尽くした。
Heatranは一瞬怯んだものの、
マグマストームを使って防御することに成功。
炎の中でHeatranが攻撃のタイミングを図ろうと試みる。
BraveArmorが隙を見せずに放ったつもりだったストーンエッジは、
マグマストームによって溶かされてしまった。
BraveArmor「(岩を溶かすなんて…!)」
続けて悪の波動を撃ち込むが、
炎の壁は隙をみせない。
そんなことをしているうちに、
Heatranが動き出した。
炎の壁の一部に穴が開いたとき、
銀色の光が弾丸のようにBraveArmorを襲った。
Heatran「ひゃっはぁッ、ラスターカノンだッ!」
間一髪のところでBraveArmorがラスターカノンを防いだが、
受け止めたのは1発目のみ、
Heatranの放った2発目と3発目が容赦なく襲いかかる。
連続攻撃によろめくBraveArmorに向けて、
4発目のラスターカノンが放たれる。
Heatran「ひゃっはぁッ、勝つのはオイラだぁッ!」
4発目のラスターカノンは、
これまでの攻撃とは比べ物にならないような雰囲気、
空気が震える感覚をその場にいる者たちに感じさせた。
BraveArmor「(まずい、あんな技を受けたら、もう立てないッ!)イヤだぁッ!」
無我夢中で連打したストーンエッジは、
ラスターカノンの威力を弱めたように見えた。
しかし、ストーンエッジで削られたラスターカノンは、
芯を残してBraveArmorを貫いた。
崩れ落ちる緑色の巨体にマグマが襲いかかる。
Heatranが勝ちを確信して炎を弱める。
BraveArmorもさすがに疲労困憊、
SteelArmorに視線を送り、
何か合図を送ると2体は補佐役サイドンたちに、
降参の意志を伝えた。
DrillArmor「よし、試合終了じゃ、HeatranとCresseliaの勝ちじゃ。」
シロガネのエースたちは、
傷ついた体を引きずりながら、
世界王者のもとに近づいた。
「ありがとうございました!」
短いながらも、感謝の気持ちを伝えたかった。
そして、長老DrillArmorのもとに向かう。
僕たちは試合に負けた、
しかも怖くて降参を選んだ。
きっとお説教だろう。
旅に送り出してくれることはないだろう。
シロガネ山を追い出されるかもしれない。
長老は静かに口を開いた。
DrillArmor「よくやった、よく降参を選んだ、賢明な判断だった。」
予想外の言葉だった。
ベストは尽くした、
でも実力の差は明確だった、
世界は広かった。
DrillArmor「君たちはシロガネ山の希望なんだ、もちろん勝ち続けてほしい。だが、同時にプレッシャーに潰されるのが心配だった。ベストを尽くして力が及ばなかったならば、潔く退く、それで良かったのじゃ。現実を認め、次に繋げる、若いからこそ、自分や仲間を大事にしなさい。」
そう言い残し、長老は去っていった。
SonicBread「BraveArmorくん、SteelArmorくん、疲れているだろうけど、少しいいかな?」
BraveArmor「あぁ、SonicBreadさん。僕たち、まだ世界を相手にするのは無謀だったみたいです。」
SonicBread「いや、その若さで、この実力とは正直なところ、かなり驚いた。」
SteelArmor「いや、そんなこと…」
SonicBread「嫌味に聞こえたらすまないけど、Cresseliaが三日月の舞を使ったり、Heatranがあんなにハイテンションを維持してたのは、とても珍しいことなんだ。」
どうやら、CresseliaさんはHeatranさんがここまで追い詰められたことが予想外だったそうだ。
そして、Heatranさんはふざけてるワケではなく、心から試合を楽しんでいたそうだ。
SonicBread「恐らくDrillArmor様は君たちを笑顔で送り出してくれるだろう。俺も君たちの活躍、成長には興味がある。」
SonicBreadはシロガネ山のエースたちに労いの言葉と激励の言葉を述べると、
最後に寂しげに言った。
SonicBread「実はCresseliaとHeatranは伝説の存在故に50年周期で寿命がくるのだが、あと1年で今の記憶を持ったCresseliaとHeatranは世界から消えてしまうんだ。」
BraveArmor&SteelArmor「(……!?)」
信じがたいが、この世界王者が軽々しく嘘を言うはずがない。
SonicBread「君たちにプレッシャーをかけるのは申し訳ないが、君たちだからこそ頼みたい。あの2体の記憶が途切れる日までに世界王者になって、あの2体にリベンジすると約束してほしい。きっとCresseliaもHeatranも、君たちの成長を見届けたいはずなんだ……!」ぐすん…
Cresselia「あなたたち、あまり気にしなくてもよろしいのですよ。私はいつでもあなたたちの姿を見守っております、この御守りをお渡しします。立派に成長なさることを願っております。(きっと彼らとは、再び闘うでしょうね、楽しみですわ。)」
Heatran「ひぃはぁッ! オイラを倒さなきゃ、世界王者にはなれないぞぉッ!」
シロガネ山のエースたちは、
世界王者たちの頼みに、
「世界王者になってみせます。」
と、答えた。
返事を聞くと、最後にもう一度だけ激励の言葉を残して、
世界王者たちは、
各々の言葉を残して、
シロガネ山を飛び立った。
Cresseliaさん、あの2体をシンオウ地方まで移動させるらしいけど、
体力持つのかな、やっぱりすごい方たちだったな。
世界王者を見送りながら、
そんなことも考えた。
BraveArmor「僕たち、ホントになれるかな、世界王者……」
SteelArmor「約束したんだ、仲間を集めて、絶対に世界王者になってやろうよ!」
2体は、改めて決意した。
「世界王者、最強の存在になる!」
第6話に続く。
10/04 23:42
[24]空色飛竜◆8/rJfUc/Sc
お久しぶりです^^
クレセリアとヒードランはやっぱり強かったですね(笑)さすがはクレセドラン←
ですが、それにいい勝負を見せたバンギとムドーも将来有望ですね(笑)
バンギ達の旅の目的が見えてきて続きが気になります^^
更新頑張って下さいね(笑)
10/21 23:07
[25]雷雲猛虎◆60z3zZnjvY
>>空色飛竜さん
コメント、ありがとうございます。
なかなか筆が進まない(-_-;)
★第6話:初めての都会
世界レベルの強者に力の差を見せつけられながらも、
1年以内に世界を制覇し、
再び闘うことを誓ったBraveArmorとSteelArmor。
その夜、シロガネ山のエースたちを送り出すための宴がおこなわれた。
一同、期待を込めて喜びながらも、
どこか寂しい気持ちを隠さずにはいられなかった。
一夜明けて、旅立ちのときがくる。
DrillArmor「恐れるな、みんなが応援している。CresseliaとHeatranの約束のため、御前たちに敗れたDevilQueenとPoisonWingのため、必ず世界制覇を成し遂げるのじゃ!」
補佐役サイドンたちがシロガネ山のエースたちになにかを手渡す。
「霊界の布」と呼ばれる繊維で作られたカバンである。
補佐役サイドンA「この山の麓で稀に拾うことができる、上質な繊維で作ったカバンだ。火で炙っても、水に浸しても、どんな刃で切りつけても、絶対に壊れない。大事にしてくれよ。」
補佐役サイドンたちが、だいぶ前から作ってくれていたそうだ。
なんともいえない雰囲気を放つカバンを受け取った。
BraveArmor「ありがとうございますッ!」ぶわっ
SteelArmor「ありがとうございます。おい、泣くなって。」オロオロ
手作りのカバンを受け取ったエースたちは、
暫しの別れの直前にも関わらず、
いつもの流れをみせた。
そして、いよいよ出発のとき。
シロガネ山のみんなが激励の言葉をかける。
エースたちは一度だけ振り返り、
「行ってきます!」
と、大きく返事をした。
歩き始めて30分、エースたちは東に向かう。
まず目指す先は、チャンピオンロードのゲート。
ここで全国のマップがもらえるらしい、
事実上は全国街や都市の役場(ゲーム内のポケモンセンターとお考えください。)で入手可能であるが、
シロガネ山に役場など無い。
BraveArmor「いやぁ、着いたね。」
SteelArmor「ここでマップをもらうんだよね?」
受付ルージュラ「ようこそ~、どんなご用件で?」
受付のオバサン…、じゃなくてお姉さんに要件を伝えると、
こんな返事がきた。
受付ルージュラ「あっ、ひょっとしてシロガネ山から来たのね? もう全国マップは無いのよ。今は、みんながコレを使うのよ。」
受付のオバサン…、じゃなくてお姉さんから、
薄い板を受けとるBraveArmor。
BraveArmor「なんですか、これ?」
SteelArmor「真っ黒、何も書いてないじゃん。」
受付ルージュラ「ここを押すのよ!」
受付のルージュラは、BraveArmorから薄い板を取り上げると、
薄い板を弄り、板の表面から光を放った。
そして、地図らしきものが映った。
BraveArmor「うわぁ、何これ!」
SteelArmor「光ったね。」
受付ルージュラ「これはポケレッド(※)、タッチパネル式の電子機器よ!」
※ポケレッド:現実世界のタブレット端末とお考えください。
ポケレッドを受け取った2体は、
その他に木の実をポケドルに換金してもらった。
受付のお姉さんにお礼を言いながら、
22番道路を抜けて、トキワシティに向かった。
トキワシティに着き、少し休憩。
その後、すぐにニビシティを目指して、
2番道路を進むことになった。
11/11 15:15
[26]雷雲猛虎◆60z3zZnjvY
2番道路はトキワの森と呼ばれる迷路のような樹海がある。
こんなときこそ、ポケレッド。
BraveArmorがポケレッドを操作して、
SteelArmorがそれをのぞきこむ。
2番道路の中腹に差し掛かったとき、
小さな小屋を見つけた。
「特製ケーキ、始めました!」
見たところ、休憩所らしい。
ちょうど、小腹が空いていたので、
休憩所に入ることにした。
店員ミツハニーA「いらっしゃいませ~」
BraveArmorとSteelArmorは、窓際の席に案内された。
日射しが暖かい。
客ピカチュウA「おぉい、カイスジュースをくれ。」
店員ミツハニーB「少々お待ちを~」
客ヤルキモノA「マトマジュース、おかわりぃッ!」
ミツハニーC「はい、喜んで~」
どうやら、人気のお店らしい。
ミツハニーA「ご注文は?」
BraveArmor「ぼくは、モモンジュースで。」
SteelArmor「ドリのケーキをひとつ。」
注文を済ませて、再びポケレッドを取り出す。
情報収集は欠かせない。
そんな彼らに近付く2体のポケモンがいた。
???A「おぉ、ポケレッド。使ってくれてるんだ。うれしいな~」
???B「しかも、最新機種、ワシもほしいのぉ。」
BraveArmor「わっ、なんでしょう?」
SteelArmor「うわっ、あげないよ!」
突然のことに驚いたシロガネエースたち。
ユンゲラーA「ハハハ、僕はシルフカンパニーでポケレッドの開発担当者として働いているんだ。そのポケレッドは、発売して間もないから、使ってるのをみたら、うれしくなってしまってね。」
ヘラクロスA「ワシはヤマブキシティの道場で会長をしてる者じゃ。ポケナビも、ポケギアも、ポケッチも良かったが、やはりポケレッドには敵わんよ。」
どうやら、この2体はヤマブキシティという街から来たらしい。
ヘラクロスA「ところで君たち、ひょっとしてシロガネ山から来たのかな?」
BraveArmor「どうして知ってるんですか?」
ヘラクロスA「ワシはDrillArmorくんの知り合いでね、ついさっきシロガネ山に行って来たのじゃ。そしたら、どんな攻撃でも受けきれるエアームドと、どんな守りでも突破できるバンギラスを送り出したと言っててのぉ。」
SteelArmor「(長老…)」
ユンゲラーA「どうしても会いたいと言うから、君たちを探して、テレポートしてきたんだ。」
そう、このヘラクロスこそが、長老DrillArmorの同志、GigaLance(※)である。
※GigaLance:DrillArmorの昔の同志だったヘラクロスのおじいちゃん。ヤマブキシティの道場で会長を務めており、その実力はカントーエリア最強と言われている。
GigaLance「うん、では、またそのうち会えるとよいな。ヤマブキシティにきたときは、道場においで。」
BraveArmor「はい、もちろんです。」
SteelArmor「さようなら~」
ユンゲラーA「ポケレッド、大切にしろよ~」
ヤマブキシティから来た2体を見送り、
ジュースとケーキを食べ終える。
またトキワの森を歩き、
ついにニビシティに辿り着いた。
この街には、腕試しのできる施設があるらしい。
さっそく、その施設へと足を運ぶ。
施設に着き、扉を開けると、
受付にイケメンエレブーがいた。
SteelArmor「すみませーん、ここでバトルができると聞いたんですけど。」
受付エレブー「やぁ、いらっしゃい。ちょうど、対戦相手を探してるチームがいるんだ。そのポケモンたちと闘ってくれるかな?」
BraveArmor「えぇ、ぜひ!」
受付エレブー「よしきた、おぉい、案内してくれぇ。御客様だぞ。」
受付エレブーは、案内役エレキッドを呼ぶ。
案内役エレキッド「うぃっす、こっちっすよ。」
BraveArmor「どんな相手だろう?」
SteelArmor「誰が来ても勝とうぜ。」
案内役エレキッド「会長、連れてきました!」
会長???「おぉ、ごくろうさま。」
対戦相手A「やっと、」
対戦相手B「来たか。」
対戦相手C「…。」
会長と呼ばれた黄色のポケモンは、
エレキブルというらしい。
シロガネエースに近寄り、ルールを説明した。
タッグバトル、得意なバトルだ。
会長エレキブル「よし、始めるぞ。」
合図と共に、シロガネエースと対戦相手が、
フィールドの中心に集まる。
二足歩行のポケモンが最初に口を開いた。
どこかの受付のオバサン…、じゃなくてお姉さんみたいな容姿である。
バシャーモA「ボクはバシャーモ、よろしく頼む。」
続いて、腕が4本あるポケモンがしゃべった。
カイリキーB「俺はカイリキー、ポケモンバトルや ら な い か ?」
バシャーモA「おい、やめろ。お前、ベンチに下がりたい?」トビヒザゲリ、ゴスッ
カイリキーB「アーッ!」ばたん、シーン。
そして、呆れた表情で最後の1体がしゃべる。
アサナンC「…、うるさいぞ。カイリキーBの代わりに、俺が闘う。」
シロガネエース2体「よろしくお願いします!」
シロガネ山を降りて、初のバトル。
彼らのバトルは通用するのだろうか。
第7話に続く。
11/11 15:16
[27]雷雲猛虎◆60z3zZnjvY
★第7話:孤高の格闘家
ニビシティに辿り着いた、シロガネエースたち。
バトルのできる施設を訪れ、
そこで、3体のポケモンと知り合った。
バシャーモA、カイリキーB、アサナンCである。
彼らは、今回の練習試合の対戦相手であり、
バシャーモAと、アサナンCが闘うようだ。
会長エレキブル「バトル開始ッ!」
会長エレキブルの掛け声で、バトルが始まる。
最初に動いたのは、バシャーモA。
炎を纏って、BraveArmorを目掛けて、
スピードをあげつつ、攻撃を仕掛ける。
バシャーモA「ニトロチャージからのッ…!」
BraveArmorがニトロチャージを防ぎ、
バシャーモAに、けたぐりを仕掛けた。
至近距離で放たれた攻撃は、
鮮やかに決まったと思われた。
しかし、バシャーモAの姿は無い。
見えないくらい、吹き飛んだのか。
いや、違う。
バシャーモA「あまいッ、ニトロチャージは、ほんの加速にすぎない。」
BraveArmorの背後から、バシャーモAの声と熱気が伝わってくる。
BraveArmorが慌てて、振り替えるが、
そのときは、すでに遅かった。
バシャーモA「スカイアッパーッ!」
BraveArmorが、天井に打ち付けられた。
そこへ、アサナンCが追い撃ちをかけるように、
飛び膝蹴りを与えようと、力を溜めている。
そして、アサナンCが地面を蹴り、
落下するBraveArmorを目掛けて、飛び膝蹴りで突進していく。
しかし、その飛び膝蹴りは、成功しなかった。
アサナンの膝を止めたモノ、それは一瞬のうちに、
BraveArmorの前に移動した、SteelArmorの嘴だった。
SteelArmorが、アサナンCの攻撃を受け止めている間に、
BraveArmorが地面に叩きつけられる。
バシャーモAも、SteelArmorの高速移動に、
目を丸くして、驚いたようだ。
隙のできたBraveArmorに、攻撃を刺せなかった。
BraveArmor「イタタ、いきなり、なんて強い一撃なんだ…。」
とは言いながら、鍛え抜かれた緑色のボディは、
傷ひとつ残らない。
かつてHeatranの炎に耐えた緑色のボディは、いっそう頑丈なモノとなっていた。
これには、バシャーモAも、残念なようだ。
しかし、同時に、バシャーモAの闘争心に業火を焚き付けた。
バシャーモA「並みのバンギラスじゃないんだな、だったら上等だぁッ!」
再び、バシャーモAが炎を纏った。
一方のアサナンCは、SteelArmorの嘴で攻撃を防がれたため、
地面に降りるしかなかった。
着地したアサナンCの背後に、SteelArmorが回り込む。
SteelArmor「ドリルくちばしぃッ!」
しかし、アサナンCは、振り返ることをせずに、
目を瞑っている。
SteelArmorの嘴が、アサナンCの背中を捉えようとした瞬間、
アサナンCの背中が遠ざかった。
いや、厳密にはSteelArmorが、弾き飛ばされた。
アサナンC「サイコキネシス…。」
超能力を駆使して、猛スピードで突っ込んだSteelArmorを弾き返し、
壁へと打ちつけた。
すさまじい精神力の持ち主のようだ。
アサナンC「…、力だけが武術ではない…。本当の闘いを見よ…!」
壁へと打ちつけられたSteelArmorは、
もう一度、翔びあがり、
BraveArmorの近くへ移動。
SteelArmor「どうやら、ただの格闘家じゃないみたいだね。」
BraveArmor「ふむ、炎使いとサイキッカー。厄介だね。」
SteelArmor「こうなったら、守りを固めてから、タイミングを見計らって、攻めよう。」
一方の格闘家たちも、簡単な作戦会議だ。
バシャーモA「ウワサ通りだったね、ウチの会長の言う通りだ。これは強い。」
アサナンC「…、まさか、連絡を頂いてから、10分ほどで、出会ってしまうとは思わなかった。」
バシャーモ「ボクたち、運が良いね。」
カイリキーB「ねぇ、そこのお兄さん、一緒にご飯、食 べ な い か ?」
会長エレキブル「いえ、仕事中ですので。」キッパリ
両軍が作戦会議を終えて、睨み合う。
しばらく沈黙が続き、バシャーモAが声を上げた。
バシャーモA「今更で申し訳ないけど、ボクたちは、ヤマブキシティの道場の者なんだ。」
BraveArmor&SteelArmor「(まさか!?)」
バシャーモA「ついさっき、我が恩師であるGigaLance会長から連絡があって、シロガネ山の最強チームが来たと聞いた。」
アサナンC「…、率直に聞こう。シロガネ山の最強チームのバンギラスとエアームドは、アンタたちか?」
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SteelArmor「そうだ! シロガネ山の最強チームは、ボクたちだ!」
BraveArmor「(うわぁ、イヤな予感…。)」
バシャーモA「そうか、良い機会だ。ここで勝たせていただこう。我が鍛練の成果を証明するためッ…!」
アサナンC「…、世界の広さを教えてやるッ…!」カイリキーB「(出番無いなぁ…、ヒマだなぁ…。)」
格闘家2体の闘争心が最高潮となったと同時に、
シロガネエース2体にも闘志が溢れ出す。
バシャーモAがBraveArmorに急接近、
ニトロチャージからのブレイズキックとスカイアッパーの連続技を仕掛ける。
BraveArmorは、臆することなく、
攻撃を丁寧に受け長し、
反撃のタイミングを計る。
一方、アサナンCは飛び膝蹴りでSteelArmorに急接近、
SteelArmorが回避したが、念力を操ることで、
壁への激突は避けたようだ。
飛び膝蹴りから停止したアサナンC目掛けて、
SteelArmorがドリルくちばしを撃ち込むが、
またしても念力で弾かれてしまった。
バシャーモA「くっそ、やはり隙が無い。」ぜぇぜぇ
BraveArmor「結構ギリギリで、ヒヤヒヤだけどね。」ぜぇぜぇ
SteelArmor「浮遊してる格闘家とか、聞いたこと無いぞ…。」ぜぇぜぇ
アサナンC「精神を整えてこそ、見える世界。その表れこそ、サイキッカーと格闘家のコラボレーションなのさ…。」ふわふわ
バトルは、すでに1時間が経過していた。
ここで格闘家たちが、新たな動きを見せる。
バシャーモAが地面を蹴りつけ、高く跳びあがる。
SteelArmor「そんなに跳んだら、隙だらけですよ!」
BraveArmor「ここで仕留めるよッ!」
BraveArmorのストーンエッジが、
跳びあがったバシャーモAを目掛けて撃ち込まれる。
しかし、バシャーモAは、あり得ない動きを始めた。
なんと、空中を走り回っているのだ。
バシャーモA「アサナンCがいるからこそ可能な業、ボクの加速に、陸も空も関係無いッ!」
その動きは、かつてDevilQueen(※シロガネ山で死闘を繰り広げたマニューラのこと)の速度を、
余裕で上回っており、
目で捉えることは難しくなった。
そして、高速移動を縦横無尽に続けるバシャーモAの残像だけが、
バトル場に残ったように錯覚しているシロガネエースたち。
バシャーモA「ここで決着だッ!」
バシャーモAの声が聞こえたと同時に、
SteelArmorが炎に包まれる。
ブレイズキックが急所を捉えていた。
SteelArmorは、何もできずに壁に打ち付けられてしまった。
SteelArmor、戦闘不能である。
アサナンC「…、やりましたね。そろそろ、こっちも限界ですが…、行けますか…?」
バシャーモA「あぁ…、行ける。ただ、今の一撃で足を痛めた。本当に、早く決着をつけなきゃな…。」ぜぇぜぇ
どうやら、SteelArmorの鋼鉄のボディに、
フルパワーの一撃を与えたことで、
バシャーモAを負傷させてしまったようだ。
難攻不落のSteelArmorの守備を、
圧倒的破壊力で撃ち破った結果、
自身の身体までを破壊することになった。
バシャーモA「さぁ、ボクの渾身の一撃で、シロガネ山で最強のポケモンを沈めてみせよう…。」
BraveArmor「受けて立つ! SteelArmorのためにも、勝つのはボクだッ!」
再び、バシャーモAが跳びあがると、
空中を縦横無尽に走り回る。
下では、アサナンが瞑想をしながら、
不気味なオーラを放っている。
BraveArmor「バシャーモAさん、あなたには悪いけど、アサナンCさんから倒させてもらうよッ!」
格闘家たちに寒気が走る。
バシャーモA「しまった! おいッ、アサナンC! 逃げろ!」
しかし、アサナンCには全く聞こえていないようだ。
容赦無く、ストーンエッジが襲いかかる。
アサナンが驚きながら、宙を舞う。
身の危険を感じ、ストーンエッジを避けるが、
BraveArmorの作戦は、ここからである。
BraveArmor「逃がさないよッ…!」
ストーンエッジを避ける、つまり逃げることと同位、
追い討ちの精度には自信があるBraveArmorは、
一撃でアサナンCを倒した。
バシャーモA「やはり、並のポケモンじゃないみたいだね。普通のヤツは、動揺して終わりだからね。」
BraveArmor「さぁ、一騎討ちですよ。」
バシャーモAは、ボロボロになった右足を引きずりながら、
けれども、左足では地面をしっかりと捉えて、
跳び膝蹴りを繰り出した。
BraveArmorは、落ち着いて回避。
すかさず、追い討ちを仕掛ける。
しかし、バシャーモAは、怯むことなく起き上がり、
スカイアッパーで追い討ちに対抗。
続けて、BraveArmorの足元にブレイズキックを叩き込む。
バシャーモAのブレイズキックに対抗するため、
BraveArmorも、けたぐりで応戦。
右足同士の激突に、バシャーモAの表情が歪む。
そして、一瞬だけ、バシャーモAがふらついた。
BraveArmor「今だッ…、これで決着だッ!」
悪の波動を放つBraveArmor、
その一撃を受けて、地に伏せるバシャーモA、
勝利を手にしたのは、シロガネエースたちだった。
会長エレキブル「勝負有り、勝者はBraveArmorとSteelArmorだ。」
バシャーモA「くっ、さすがに強いな。また、闘おう。」ニコッ
格闘家たちは、シロガネエースたちを称えると、
そのまま、バトル場を立ち去った。
シロガネ山を降りてから、初のバトルに勝利した。
シロガネエースたちは、この勝利を自信にして、
この街のジムと呼ばれる場所に向かう。
ニビシティのジムには、岩タイプのみで組まれたチームがあるそうだ。
シロガネエースたちの挑戦は、
まだ始まったばかりである。
第8話に続く。
12/28 16:59
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★第8話:悪夢
格闘家たちとのバトルを終えたシロガネエースたち。
その足でニビシティのジムに赴き、
見事なまでに勝利をおさめた。
ジムで知り合ったイワークから、
お月見山を抜けた先に街があることを聞き、
そこを目指すことにした。
お月見山には、見たことのないような光を放つ石が数多く転がっており、
その石を求めて、岩壁を削る発掘隊もいる。
発掘隊サンドパン「なぁ、そこのお兄さん。」
BraveArmor「あっ、なんでしょう?」
SteelArmor「ん?」
そのサンドパンは袋いっぱいに詰まった宝石をシロガネエースたちに見せながら、
笑顔で話しかけてきた。
サンドパン「オレは見てわかるとおり発掘家、ちょっと掘りすぎて、持ちきれないんだ。」
どうやら、宝石をわけてくれるらしい。
BraveArmor「あっ、でもお金が足りない気がする。」
発掘隊サンドパン「いや、お金は不要だ。単なる趣味で採ってるだけだから。」ごろごろ、ピカピカ
SteelArmor「わぁ、すごい。ありがとう!」
袋の2割くらいをシロガネエースに渡すと、
サンドパンは去っていった。
別れ際の説明に依れば、これらはパワーストーンらしい。
身に付けていることで、力がみなぎるらしい。
※いわゆる原作のジュエルシリーズ、小説内では御守りに近いもの。
お月見山を抜けると、街が見えた。
ハナダシティである。
この街にもジムがある。
シロガネエースたちには不利な水タイプが揃ったジムだが、
力試しに挑むことにした。
扉を開けると、髭の立派なダイケンキが出迎えてくれた。
受付ダイケンキ「いらっしゃい、挑戦かな?」
SteelArmor「はい、よろしくお願いします!」
奥に通されたシロガネエースたちの前に、
2体のポケモンが現れた。
ラグラージ「んじゃ、始めようか。」ボキボキ
スターミー「ヘアッ!」
エンペルト「それじゃ、審判はボクがやろう。」
バトル開始。
先手を取ったのはジムリーダー、2体同時にハイドロポンプを放つ。
そのハイドロポンプはBraveArmorを集中的に狙っていた。
BraveArmor「うわっ、最悪…!」
しかし、BraveArmorも臆することなく、
ステルスロックで水の威力を抑えると、
ストーンエッジで反撃した。
ラグラージ「多少は鍛えてるみたいだが、無駄だ。」
ラグラージはスターミーの前に立ち、
ストーンエッジをアームハンマーで打ち返す。
その破片はクラスター弾のように飛び散り、
シロガネエースたちに襲いかかる。
SteelArmor「おい、それは酷いぞ。」
クラスター弾となった石をエアカッターで撃ち落とすSteelArmor、
BraveArmorもステルスロックで防御壁を作って補助する。
ラグラージ「隙は作った、あとは任せた。」
スターミー「OK、任せなッ!」
スターミーはハイドロポンプを使って、
ステルスロックを破壊していく。
一方のシロガネエースたちも退かない。
ステルスロックの壁を作り続ける。
シロガネエース2体の作るステルスロックの壁は、
ジムリーダー2体のハイドロポンプで破壊されながらも、
バリケードの役割を果たしている。
ラグラージ「こざかしいな、主導権は握らせてもらうぜ。」
重たい腰を上げるようにラグラージが一瞬背伸びをする。
その隙を突き、BraveArmorがストーンエッジを叩き込む。
しかし、ラグラージはストーンエッジをアームハンマーで打ち返すと同時に、
驚異の跳躍力でシロガネエースたちに近づき、
ステルスロックの壁をアームハンマーで破壊してしまった。
ラグラージ「スターミー、やれッ!」
スターミー「ヘアッ!」
ラグラージの掛け声と共に、
スターミーのハイドロポンプがBraveArmorに襲いかかる。
そのハイドロポンプを間一髪回避したBraveArmor、
逃げた先にはラグラージがいる。
ラグラージ「こざかしい、終わりだ。」
アームハンマーが炸裂した、ように見えた。
BraveArmorも、負けを覚悟した。
しかし、ラグラージのアームハンマーは、
BraveArmorに当たることなく、
ラグラージの舌打ちが聞こえた。
ラグラージ「なるほどな。」
ラグラージの拳の先には、
SteelArmorの頭があった。
頭のみでアームハンマーを受け止めたのだ。
構え直すラグラージ、援護射撃の準備をするスターミー、
空中で隙を伺うSteelArmor、地上で呼吸を整えるBraveArmor、
暫しの沈黙が流れた。
痺れをきらせて動いたのはラグラージ、
BraveArmorに近づくなり、アクアテールを浴びせる。
なんとか攻撃を受け止めたBraveArmorだったが、
容赦なくアームハンマーが続けて繰り出された。
慌てて守りの体勢をとるBraveArmorだが、
不安定な体勢であるが故に守りきれない可能性が高かった。
これをみたSteelArmorが、再び守備を補助しようと試みる。
しかし、ラグラージの拳の先にまわる直前に、
SteelArmorは壁に叩きつけられた。
ラグラージ「よし、上出来だ。」
スターミー「ククッ。
ノーマークだったスターミーから放たれたハイドロポンプが、
SteelArmorを撃ち抜いた。
同時にラグラージの渾身のアームハンマーが、
BraveArmorのガードを押し潰すように炸裂。
ダブルノックアウト、一瞬で勝負が決まってしまった。
エンペルト「試合終了、ジムリーダーの勝ちだ。おつかれさん。」
エンペルトはシロガネエースたちに近づき、
ミックスオレを手渡した。
シロガネエースたちは、ミックスオレを受け取り、
ジムリーダーたちからアドバイスをもらう。
そして、ジムをあとにした。
シロガネ山を降りてから、初黒星。
この負けが、彼らの力となるのか。
第9話に続く。
01/16 16:05
[30]雷雲猛虎◆60z3zZnjvY
★第9話:都会
ハナダジムで惨敗を喫したシロガネエースたち、
いずれリベンジしよう、
そう誓って次の街を目指す。
目的地はヤマブキシティである。
BraveArmor「このゲートの先がヤマブキシティだってさ。」
SteelArmor「案外、近いんだねぇ。」
ゲートを抜けようとしたとき、
警備員のゴーリキーに声をかけられた。
警備員ゴーリキー「やぁ、ヤマブキシティにようこそ!」
一瞬、変な格闘家を連想したが、
そのゴーリキーは誠実な態度で振る舞う。
ヤマブキシティは大都市であるが故に、
始めてきた者は迷うことが多いらしい。
なにかと便利なパンフレットをくれた!
お礼にシロガネ山産の美味しい天然水を渡したら、
うれしそうな顔をして一気に飲み干した。
パンフレットを受け取ったシロガネエースたちは、
シルフカンパニーに向かうことにした。
ポケレッドの開発担当のユンゲラーに会うつもりである。
シルフカンパニービル前
偶然にも、あのユンゲラーがいるではないか。
早速、挨拶をしようと近付くシロガネエースたち。
2体に気付いたユンゲラーも笑顔で駆け寄る。
社員ユンゲラー「やぁ、久しぶり…、でもないね。だいぶ、早かったんじゃないかな?」
BraveArmor「どうしても、この街の道場に来たかったので、急ぎ足でした!」
SteelArmor「こんなところで、何をしてたんです?」
社員ユンゲラー「これから、ウチで作ってる洗濯機の回収に行くんだ…。」
シルフカンパニーは、
さまざまな分野で経済をコントロールしてると言っても過言ではない大企業である。
その大企業の製品が不具合を起こしたのは、
なんともよろしくないことである。
最悪なことに、超辛口クレーマーで有名なオコリザル一家の手に渡ってしまったらしい。
社員ユンゲラーは、これを語るうちに、
顔色が悪くなっていった。
シルフカンパニーのビルの中から、
看護師ラッキーが出てきて、
社員ユンゲラーを病室に運ぶハメになったのは、
言うまでもない。
結局、クレーマーの処理には、
社員ユンゲラーの部下であるスリープが向かったそうな。
シルフカンパニーを後にして、
シロガネエースたちは格闘道場を訪ねた。
SteelArmor「ここだねぇ、床が軋むんだけど、大丈夫かな?」
BraveArmor「歴史を感じる良い雰囲気じゃないかな。シロガネ山を思い出すよ、なんとなく似た感じ。」しみじみ
扉を開けると、中から2体のポケモンが凄まじい勢いで、
2体をめがけて飛び出してきた。
パンチ野郎「挑戦者が来たぜッ!」ひゃっほい
伸びる脚「俺が殺るんだ、お前は引っ込んでろ!」バキッ
BraveArmor「ちょ。」
SteelArmor「うわ、なんだ、こりゃ。」
道場に入るなり、奇襲攻撃を受けるシロガネエースたち。
このパンチが得意なポケモンはエビワラー、
脚が伸びちゃうポケモンはサワムラー、
容赦なく攻撃を浴びせてきた。
いくらなんでも、奇襲攻撃には対応が間に合わない。
そこに中から、もう1体のポケモンが出てきた。
ぐるぐる「こらぁ、少し落ち着け。恥を知れ!」ぐるぐる、どかん
高速回転でパンチ野郎と伸びる脚を押し退けて、
シロガネエースたちに一生懸命に謝罪するのは、
カポエラーである。
カポエラー「ホント、すみません。あの2体は会長から説教を受けて、イライラしてたんだ。だけど、許されるワケがないですよね。ホント、すみませんでした。」
このカポエラー、さっきの2体の先輩らしい。
とにかく、平謝りである。
とりあえず、キリがないので、
シロガネエースたちも許すことにした。
しかし、エビワラーとサワムラーは、
舌打ちをするなり、外に出ていった。ように見えた。
突然、エビワラーとサワムラーが道場の中に飛ばされてきた。
同時に道場の奥にある掛軸が斬れた。
もうワケがわからないシロガネエースたち。
そして、斬れた掛軸を見て震えるカポエラー。
カポエラー「あぁぁぁ、この攻撃の正体は…。」ガクブル
エビワラー「やっべ、最悪のタイミング。」ガクブル
サワムラー「くそっ、遅かったか…。」ガクブル
格闘兄弟の視線の先には、
緑色を基調としたポケモンが立っている。
格闘兄弟「「「え、え、エルレイド@先輩ぃッ!」」」ガクブル、涙ボロボロ
エルレイド@「御主たち、そこで何をしておったか…、言えッ!」ギラッ
外から入ってきたエルレイド@は、
エビワラーとサワムラーの喉元に、
鋭利なその手突きつけた。
それを見てしまったカポエラー、
気絶してしまったようだ。
エビワラー&サワムラー「「すっ、すみませんでしたッ!」」
エルレイド@「回答になっておらぬではないか…。言わぬならば、その腐った根性と肉体、共に切り捨てて差し上げようッ!」
エルレイドの手先が怪しく光る。
エビワラー&サワムラー「「道場破りの御客の相手をしてましたッ!」」
エルレイド@「そのわりには、随分と入口に近いではないか。殿方、怪我などされておらぬか?」
シロガネエースたち「あっ、はい。」ぽかーん
エルレイド@は、鋭利な手先をほどき、
道場の奥に声をかける。
中からワンリキーとヒコザルが20体ほど駆け足で出てきた。
そして、二列に並び、正座をして頭を下げる。
ワンリキー&ヒコザルたち「「「ようこそ、お越しくださいました!」」」びしっ
エルレイド@「申し訳ないが、稽古を始める前に、この悪党共を更正させたい。そこのヒコザルたち、会長の下へ連れていってくれぬか?」
ヒコザルたち「了解でございます!」よいしょ、よいしょ。
エルレイド@「それとワンリキーたち、御客様に粗茶と茶菓子を持って参れ。迅速に頼むぞ。」
ワンリキーたち「了解でございます!」ドタドタ。
エルレイド@の掛け声で、
ワンリキーとヒコザルの子どもたちが役割をこなす。
エルレイド@「おい、御主。起きるのだ。ん?」
エルレイド@は、気絶したカポエラーに声をかける。
カポエラー「あぁ…、エルレイド@先輩、あの2体が、また悪事を…。申し訳ございません。」
エルレイド@「御主が謝ることではなかろう。気持ちを入れ替えて、御客様をもてなすのだ。手厚く、無礼の無きようにするのだ。」
カポエラー「了解でございます、エルレイド@先輩。」びしっ
このエルレイド、一体何者なのか。
第10話に続く。
01/30 00:32