[1]コーラル
【流れ星の約束。】
それは、星振る夜に出会った3匹のポケモンのお話――。
こんにちは。雑談のほうでお世話になっているコーラルです。
文字数の制限で入りきりませんでしたが、正式タイトルは
〈流れ星の約束。 ~A wish of shooting star~〉
となっております。
せっかく小説掲示板ができたので(ってもう1年近くも前の話ですが←)、私も小説を書き起こさせていただきました(*^_^*)
もしかしたらタイトルで予想がついた方もいるかもしれませんが、この小説はジラーチが主人公のお話となっております。登場人物はポケモンオンリーですので、ポケモンたちが普通に喋ります。
ポケモンの設定に関しては、公式+自己解釈が入っていますので、ご了承お願いしますm(_ _)m
まだまだ下手な文章ですが、最後まで付き合っていただけたら幸いです[a:0446]
ちなみに、更新はのんびりとしていく予定です^^
では、頑張って執筆させていただきます!
01/28 00:47
[7]コーラル
ザッザッ。
森の中を歩く2匹分の足音が聞こえる。
ハルとヨルの2匹は、里から離れた森の中を探検していた。
「あれ、なんだろこれ」
ハルは道の端に奇妙なものを見つける。
センターで赤と白の2色に分かれた、小さな半円形のものが地面に落ちていたのだ。
試しにハルが足の先で触れてみると、“それ”はぴょんっと小さく跳ねた。
「けたけた。」
「うわっ?!」
思わず後ろへと転ぶハル。
まさか動くとは思っていなかったそれは、どうやら土の中に体をうずめていたタマゲタケのようだった。
「けたけた。なにか用かい、おふたりさん?」
“けたけた。”という口癖らしき謎のフレーズを発しながら、土の中から出てきたタマゲタケはたずねてくる。
「ごめんなさい、タマゲタケさんだったとは知らなくて…」
「おや、僕に用事があったわけじゃないんだね? まぁ、気にしなくてもいいよ、つつかれるのには慣れてるから。で、君たちはどうしてここまで来たんだい?」
「探検してるんだ。森の中を見て回ったら里に戻ろうと思ってる」
2匹の会話にヨルが加わる。
「君たち子供だよね? 大丈夫かい? 夜になる前におうちに帰るんだよ?」
「わかってるって。気をつけるよ」
そう言ってヨルは歩き出す。それにつられてハルもタマゲタケから離れていった。
「けたけた。迷子にならないように気をつけるんだよー」
背中を見せて離れていく2匹にそう伝えると、タマゲタケは再び土の中に体をうずめた。
―――――――――
ちょっとほのぼの系の話を入れてみましたー。
タマゲタケの口癖は「ポケパーク2」からです(^-^) なき声がかわいかったので、つい(笑)
イラストは、その後のふたりの様子。
02/21 00:06
[8]コーラル
1話のラストです(^^)
―――――――――
タマゲタケと別れた後、2匹はしばらく森の中を探検していた。あの後も何匹かのポケモンに出会い、その度に少し言葉を交わしてはまた探検……その繰り返しだった。
あれ、でも今回は何かおかしい。
探検に夢中になっているうちに道らしい道もなくなっていて、自分たちの来た方向がわからなくなってしまっていた。
完全に迷子というやつだ。
「しまったな……」
「わわっ! どうしようヨルくん、空もあんなに暗くなってきてるよ?」
冷静な反応をするヨルと、暗くなりつつある空を見上げて不安そうな声をもらすハル。
「仕方ない、帰り道より今夜休む場所を探そう」
この時間から帰り道を探してもさらに迷ってしまうだけだと思い、ヨルはそれよりも休む場所を探すべきだと考えたのだった。
それから2匹は今夜休めるようなところを探して森の中を歩き、月が空に現れた頃に小さな洞穴を見つけた。今夜はここで休むことになりそうだ。
「もうすっかり夜だね」
ハルが洞穴の前で月と星が照らす夜空を見上げながらそう口にする。
「そうだな」
そう言いつつ、少し離れたところにいたヨルも夜空を見上げた。
不意に一際大きな星がキラリと瞬き、右から左へと流れていく。
やがてそれは流星雨となり、夜空をたくさんの流れ星で埋め尽くしていった。
うっとりしてしまいそうな光景ではあるが、そんな感情に浸っている間もなく――。
『…………………ぁぁ……!!』
どこからか声らしきものがかすかに聞こえて――、
ものすごいスピードで空から降ってきた何かがハルの頭に激突した。
声を上げる間もなくハルはその場にバタリと倒れる。
「おい! 大丈夫かハル?!」
心配してすぐにヨルが駆け寄るが、彼女は目を回していて返事はない。
ふと、ハルの横に転がっているものに視線を移す。おそらくそれが空から降ってきたものの正体だろう。
「あれ、これって……」
そこにあったのは意外なものだった。
02/28 23:55
[9]針玉
お久しぶりです
コーラルさんの可愛いイラストをみていると心が安らぎますね
ロコンとゾロアは自分も好きなポケモンなのでこの二人がどうなるのか楽しみです
03/01 22:01
[10]コーラル
>針玉さん
再びのご訪問ありがとうございます!
挿絵をそんなふうに言っていただけてありがたいです(*^_^*)
ハルとヨルのふたりはこれから活躍していく(と思います)ので、楽しみにしていてください(^^)
今回から一人称視点です(・v・*)
―――――――――
〈第2話 その流れ星の名は〉
ぼくはジラーチ。千年に一度、7日間だけ目覚めていられるポケモンだ。
ついに夜がやってきた。待ちに待った夜だ。
これでみんなの願いを叶えにいくことができる――
「――って、あれ?」
目を開けたらぼくはなぜか空中にいた。
目に入ったのは視界いっぱいに広がる、星が瞬くきれいな夜空。それと、上空を飛んでいるドンカラスと数匹のヤミカラスたちの姿だった。
星がきれいだなぁ。それに背中から風も吹いて………
…………ん、風?
風が吹いてくる方向がおかしい。
ぼくは仰向けの体勢のはずなのに、どうして下から風を感じるのだろう?
これは……もしかして…………
落ちてる……?
「うわあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ぼくは自分が落ちていってることをはっきりと自覚した。
まさかこんな空の真ん中で目覚めるなんて思わなかったから、飛ぶことを意識していなかったんだ。
ぼくは突然の事態にどうすればいいのかわからなくなって、飛ぶことも忘れてそのまま重力に従って落ちていく。
後になって冷静に考えてみれば、ドンカラスたちは紫水晶に似たぼくの繭を気に入って巣に持ち帰ろうとしていたところだったんだろう。彼らはきらきらしたものが好きだから。
そして、その運んでいる途中で繭の変化が始まって、驚いて掴んでいた足を放したんだ。
地上に背を向けて落ちていくぼくには、今自分が地上からどのくらい離れたところにいるのかすらわからない。
でもやがて視界に木に茂る葉の姿が入り、枝、幹、そして――
ごんっ!
何かとぶつかった音がした。
―――――――――
やっと主人公が本編に登場です(^^)
あ、ちなみに紫水晶はアメジストのことです(*^_^*)
03/08 12:51
[11]コーラル
更新です(^-^)
―――――――――
「おーい、大丈夫かー?」
誰かの声が聞こえる。
目を開けると視界に入ったのは、ゴツゴツとした岩の天井、それと黒い生き物の姿だった。
4本足に丸く大きな尻尾。首まわりのふさふさとした毛。頭の丸い毛の先が赤いのが特徴のポケモンだ。
確か……ゾロアと言っただろうか。
そのゾロアが目を覚ましたぼくを見て、安堵したような笑みを浮かべている。
「お、目が覚めたみたいだな」
「ここは…………」
「洞穴の中だよ。あんたが上から落ちてきたから、オレの連れと一緒に運んできたんだ」
ああ、だから岩の天井をしてたのか……。
体を起こすと――意識がはっきりしてきたためか、思い出したかのように頭が痛みを訴え出してきた。
そういえば、何かにぶつかったんだっけ……。
空から落ちてきて、何かとぶつかった衝撃でぼくは気を失ったんだ。
あの時、ぼくは何にぶつかったんだろうか?
痛む頭を抑えながらふと横に目をやると、そこには眠っているロコンの姿があった。ゾロアの言ってた「連れ」とは、この彼女のことだろう。
「あんた、そこのハルとぶつかったんだよ」
「うわっ! そうだったの?!」
まさかポケモンとぶつかってたなんて。ということは、今彼女が眠っているのはぼくのせいなんだろうな。
「えっと、ごめんっ。ぼく目覚めたばかりでよくわからなくて、気付いたら落ちててそのっ」
「とりあえず落ち着けって。べつに責めてないから。悲鳴上げてたのってあんただろ?」
「……あ、うん。助けてくれてありがとう」
それからしばらくして眠っていたロコンが目を覚ました。
ぼくはすぐに謝ったけど、彼女は「べつにいいよ」と気にしていないように笑ってくれた。うん、よかった。
03/18 19:56
[12]コーラル
続きです^^
―――――――――
こちらのロコンの名前はハル。ゾロアのほうはヨルという名前だそうだ。
ぼくはふたりに自分のことを話した。
ぼくがジラーチという千年に一度目を覚ますポケモンであり、繭の姿で眠っていたところをドンカラスにさらわれ、空から落とされたのだと。
「――あんた、変わったポケモンなんだな」
「ねぇ、名前はなんて言うの?」
ヨルとハルが順番に話しかけてくる。
「名前? ぼくに名前なんてないよ。ただのジラーチ」
「名前ないの? うーん、でもそれだと呼ぶ時になんかさびしいよね」
考える仕草をしながら辺りをきょろきょろと見回すハル。
やがてぼくと視線が合い、こちらの顔をまじまじと見つめてきたかと思うと、しばらくしてハルはその表情を輝かせた。
「そうだ! あなたの目、すごくきれいな青い色してる。まるでお空の色みたいに。だからね、
私、あなたのこと“そら”くんって呼ぶことにするよ」
「そら?」
ぼくが首をかしげていると、ヨルがニヤリと悪戯っぽく笑う。
「おっ、いいなそれ! じゃ、オレもそう呼ぶから」
……今、「しかも空から落ちてきたしな」って小声で続けて聞こえてきたような気がしたけど、ぼくの気のせいかな?
「もう! ヨルくんったら、そういう意味じゃないってば!」
「悪かったって! 冗談だろ冗談!」
気のせいじゃなかったみたい。
むすっと頬を膨らませて本気で怒るハルに対して、あわててヨルが弁解してる。
そんな光景を見て、ぼくが思わずクスリと笑ってしまったのはナイショだ。
しばらくすると、ヨルがコホンと咳払いをしてこちらに向き直ってきた。
「ま、まぁ……とにかくだ」
「よろしくな、そら!」
ニコリと笑顔を向けてくるヨル。それに合わせてハルも笑みを向けてきた。
「……うん!」
ぼくも目一杯の笑顔を彼らに向けたんだ。
普通に受け入れられて、歓迎してもらえたことが嬉しくて。
長い眠りから目覚めたばかりのぼくは、
この日、かけがえのない友達となるふたりから、大切な名前をもらったんだ。
03/18 21:37
[14]コーラル
若干お久しぶりです!
最近体調不良だったもので、予定より更新が遅れてしまいました(^_^;)
>スイーツLOVEさん
ご訪問ありがとうございます(*^_^*)
いえいえ、私なんてまだまだですよ(>_<) 文章力やストーリーの構成力がほしいです(^_^;)
ではでは更新!
―――――――――
〈―幕間― その日の夜のこと〉
「そういえばお前、外の流星群は見たか?」
ヨルの質問に、ぼくは軽く首を横に振る。
「ううん、見てないけど……」
あわててて、それどころじゃなかったし……。
「だったら見に行こうよ! きっと感動するよ!」
「そうだな。あんなことがあったからオレたちもまともに見れてないし、一緒に見に行くか!」
~外~
「すごい……!」
ヨルは流星群って言ってたけど、この量はまるで流星雨だ。
絶え間なく大量の星が次から次へと夜空を駆けていってる。
「きれいだね~」
「そうだな」
「うん。ほんとにきれいだよ」
そうしてぼくらは、しばらく夜空を流れる流星雨を眺めていた。
息も呑むような壮観さに、交わす言葉なんていらない。
だって、言葉なんて交わさなくても、抱いてる想いは同じはずだから。
出会って間もないぼくらだけど、きっと今は同じ想いを重ねてる。
だから、きっと――
きっと、この光景をぼくは忘れない。
―――――――――
幕間なのでちょっと文章を少なめにしてみました^^
間の意味を感じ取っていただけたら幸いです(*^_^*)
04/05 20:48
[15]コーラル
前の更新でプロローグ部分が終わったので、今回はメインキャラクターの紹介をしたいと思います(*^_^*)
名前の横の()内の文字は、下の紹介イラストでの配置です(^^)
◇そら(中)
主人公。ちょっと天然気味なジラーチの男の子。
願い事ポケモンとしての使命感からか、願いを持つ相手を捜している。
ちょっとしたアクシデントから、ハルとヨルのふたりと出会うことに。
◇ハル(右)
臆病な性格のロコンの女の子。好奇心は旺盛で、目新しいものにはすぐに興味を示す。
里で唯一の色違いであるため、周囲からは異端として嫌悪されている。
バトルは苦手な様子。
◇ヨル(左)
少し大人びた言動を取る冷静な性格のゾロアの男の子。ハルの友達。
バトルが好きで、実力はなかなかのもの。
歳の離れた兄と母親のもとで暮らしている。ちなみに、ハルもそこの居候。
~補足~
ジラーチとロコンの目の色が公式と違うのはわざとです。いわゆる個体差といった感じですね(^^)
ジラーチは本来性別不明ですが、性別なしではないという解釈から、今回は男の子ということになっています^^
04/06 18:01
[16]コーラル
……ってしまった!!Σ( ̄□ ̄;)
ジラーチの目の下の模様入れ忘れたorz
すみません、スルーでお願いします(^_^;)
暇があったら、修正して貼り直しますのでっ!(汗)
04/06 18:13
[17]コーラル
またしてもお久しぶりです(笑)
なんだかこの挨拶が定着しそうですね(笑)
今後は気ままに更新するつもりなので、間隔がまちまちになると思いますが、よろしくお願いしますm(_ _)m
あっ、決して放置するつもりはないのでっ!
今回は更新する前にそらのイラストの修正版を貼らせていただきます(*^_^*)
ラフを確認したら、目の下の模様しっかり描いてあったのに、着色の時に忘れるというね(笑)
そういうわけで、そらのアップVer.です!(^-^)
04/29 20:00